Tochigi Public Health Service Association 公益財団法人 栃木県保健衛生事業団 健やかな未来のために 設立50周年記念誌 周年記念誌設立公益財団法人栃木県保健衛生事業団
~20年の歩み~ 2006 2025
本誌は、設立30周年以降の 歩みを記録したものです。
設立50周年を迎えて 萩 原 英 樹 理事長 公益財団法人栃木県保健衛生事業団 栃木県保健衛生事業団は、昭和51年3月29日に、それまでの旧3団体が統合して設立 されて以来、50周年という節目を迎えることができました。これも、当事業団を利用い ただいた受診者・受診団体の皆様及び食品環境検査の利用者の皆様、さらに県や市町村、 医師会、大学など多くの関係機関、関係団体、関係者の皆様のご支援、ご協力の賜物と 深く感謝申し上げます。 また、50年という歴史は、決して順風満帆な時期ばかりではありませんでしたが、社 会のニーズを的確に捉えて事業を拡大するとともに、健診検査の精度や顧客満足度の向 上にたゆまぬ努力を続けてこられた先達の役職員の方々にも厚く御礼申し上げます。 おかげをもちまして、50年前に36名の小世帯でスタートした当事業団は、現在は、常 勤役職員237名、検診車28台と最新の検査機器を擁する団体にまで成長発展し、県民の 皆様の健康保持増進に貢献させていただいております。 さて、前回このような記念誌を発行したのは設立30周年を迎えた平成19年3月でした ので、それ以降の当事業団を取り巻く主な動きを簡単に紹介させていただきますと、ま ず、平成20年4月から、国の制度改正に伴い特定健康診査及び特定保健指導を開始する とともに、平成23年3月の東日本大震災を契機に、学校給食などの放射能検査を開始し ました。平成25年4月には、新しい公益法人制度に基づき知事の認定を受け公益財団法 人へ移行しました。令和2年から始まった新型コロナウイルス感染症の蔓延により約2 割減となった住民健診受診者は、以前の数字まで回復しております。また、同感染症蔓 延時には、行政機関などからの求めに応じ感染症検査を数多く実施しました。加えて、 令和4年10月には、胸部X線画像AI読影支援システムを導入するなど、常に最新の技術 を活用した健診精度の向上に取り組んでまいりました。 今後も、地域社会を取り巻く社会経済・環境や、健診検査に関する制度や技術は大き く変わっていくことと思いますが、健やかに暮らしたいという県民の願いは変わること はありません。当事業団は、次の50年間も、またさらにその先も、その願いの実現に向 けて貢献し続けることができますよう、気持ちを新たに役職員一同なお一層努力してま いりますので、今後ともご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。 Tochigi Public Health Service Association 3
Tochigi Public Health Service Association 4
目 次 挨拶 公益財団法人栃木県保健衛生事業団理事長 萩原 英樹 ………………………3 経営理念……………………………………………………………………………………………4 目次…………………………………………………………………………………………………5 祝辞 栃木県知事 福田 富一 ………………………6 栃木県医師会会長 小沼 一郎 ………………………7 公益財団法人結核予防会理事長 尾身 茂 ………………………8 公益財団法人予防医学事業中央会理事長 櫻林郁之介 ………………………9 公益財団法人日本対がん協会会長 垣添 忠生 ……………………10 トピックス……………………………………………………………………………………… 11 この20年の歩み……………………………………………………………………………… 12 設立50周年によせて 常務理事 髙林 実 ……………………16 トピックス…………………………………………………………………………………… 17 設立50年に思うこと 事務局長 福田 篤 ……………………38 設立50周年記念写真/記念品……………………………………………………………… 39 シンボルマーク……………………………………………………………………………… 40 事業団の現況…………………………………………………………………………………… 41 医療局………………………………………………………………………………………… 42 精度管理室…………………………………………………………………………………… 43 管理部 総務課/企画財務課/健康情報課 … ………………………… 44 集団健診部 健診推進課/健診調整課/情報処理課 ……………………………47 健康増進部 人間ドック課/健康支援課 … ………………………… 50 技術部 放射線課/看護課/臨床検査一課 臨床検査二課/食品環境検査所 … ………………………… 52 事業紹介……………………………………………………………………………………… 56 地域保健/職域保健/学域・母子保健/人間ドック 健康支援/食品環境検査/普及啓発/調査・研究 資料……………………………………………………………………………………………… 61 歴代理事長/評議員・理事・監事の変遷/組織・役職員数の変遷/沿革 各事業件数の推移/学会・研究会発表一覧/精度管理体制/精度管理調査 優良施設認定等/学術委員/判定医/組織図/評議員・役員等名簿/見取り図 検診車紹介/車庫棟・器材準備室/新規採用職員紹介/編集後記 Tochigi Public Health Service Association 5
設立50周年を迎えて ~県民の健康寿命の延伸に資する各種取組のさらなる充実に期待を込めて~ 福 田 富 一 栃木県知事 公益財団法人栃木県保健衛生事業団が設立50周年という大きな節目を迎えられましたことに、心か らお祝いを申し上げます。 貴事業団は、昭和51年の設立以来、精度の高い健康診断事業、生活習慣病予防、感染症対策、環境 衛生検査など、多岐にわたる事業を展開し、本県の公衆衛生の基盤を支えてこられました。 特に、地域に寄り添った巡回健診の実施や、専門性を生かした検査体制の充実、さらには学校保健 への積極的な支援など、県民の健康づくりに直結する取り組みは、事業団ならではの特色として高く 評価されております。 また、新型コロナウイルス感染症のまん延期には、これまでに例を見ない危機的な状況の中、PCR 検査等を積極的に実施し、逼迫する県の検査体制を下支えする重要な役割を果たされるなど、本県の 新型コロナウイルス対策に大きく寄与されました。 これもひとえに、長年にわたり、貴事業団の皆様が県民の健康と安心を支えるため、保健・医療・ 衛生の各分野で献身的に取り組んでこられた御尽力の賜であり、深く敬意と感謝の意を表します。 さて、我が国は人口減少・少子高齢化による労働力や地域の担い手不足、気候変動によるリスクの 高まり、デジタル化の急速な進展など、社会経済・環境の大きな変化の中にあります。 こうした時代の潮流に的確に対応し、県民の健康の保持増進や健康な食事・食品を選択できる食環 境づくりを推進するため、県では本年度からスタートした「新とちぎ未来創造プラン」において、県 民一人ひとりが健康に暮らし、希望を持てる「とちぎ」の実現に向けて、良好な食生活や運動習慣の 定着、禁煙など生活習慣の改善・維持、自然に健康になれる環境づくりなどを推進するとともに、が ん、脳血管疾患、心疾患及び糖尿病などの生活習慣病予防や特定健康診査の受診率向上等に取り組み、 「健康寿命の延伸」と「健康格差の縮小」を図ることとしております。 貴事業団におかれましても、五十年という長い年月の中で積み重ねてこられた経験と実績は、かけ がえのない財産であり、これまでの歩みを礎として、今後も時代の変化に的確に対応しながら、県民 により質の高い保健・衛生サービスを提供し続けていただけることを御期待申し上げます。 結びに、貴事業団の今後益々の御発展と、理事長をはじめ職員の皆様方の御活躍を祈念して、お祝 いの言葉といたします。 Tochigi Public Health Service Association 6
設立50周年に寄せて 小 沼 一 郎 会長 栃木県医師会 この度は栃木県保健衛生事業団設立50周年記念に際し記念誌の発刊おめでとうございます。貴事業 団は本医師会と同じビルに同居している関係上近しく感じております。 貴事業団は昭和15年に結核予防会栃木県支部として設立以来、昭和36年には財団法人栃木県対ガン 協会として各種がん検診を始めとし、循環器検診、学校心臓検診と事業を拡張し、現在の公益財団法 人栃木県保健衛生事業団として活躍しておられます。 さて、現在の医療界全体を眺めてみますと、高齢者の増加と共に医療費の急激な増加に伴い、日本 が世界に誇る国民皆保険が崩壊の危機に瀕しております。 どうしても、高齢者にも自己負担の増額をお願いしなければ成り立っていかない状況にあります。 あるいは更なる消費税増税も必要になってくるかもしれません。 そこで再び浮上してきたのが予防医学です。病気になる前に食事や運動など生活習慣を見直し、医 療費がかからないようにしましょうと国民に呼びかけることです。 検診も見直されています。生活習慣病の重症化予防のための特定健診、がんの早期発見のための各 種がん検診などです。 ただ検診を受けるだけでは役に立ちません。異常を指摘されたら医療機関を受診し、精密検査を受 けることを指導することです。そうすることによって軽症の内に病気を発見し、早期治療ができるこ とを国民の皆様に教示しましょう。貴事業団の役割は大きく大切なものになってきています。 我々医師会とも協力し頑張りましょう。皆様におかれましては50周年という節目を契機に、今後も 地域住民の健康増進に一層のご尽力を賜りますようお願い申し上げます。 最後になりましたが、栃木県保健衛生事業団の更なるご発展と関係各位のご健勝を心から祈念しお 祝いの言葉とさせていただきます。 Tochigi Public Health Service Association 7
変化の時代における不変の使命 ―栃木県保健衛生事業団設立50周年に寄せて― 尾身 茂 理事長 公益財団法人結核予防会 この度は、設立50周年という大きな節目を迎えられましたことを、心よりお祝い申し上げます。 結核予防を原点として始まった貴支部の歩みは、地域の健康課題の変化とともに着実に広がり、健 診事業、がん検診、各種検査事業へと発展してまいりました。その半世紀は、常に地域の声に耳を傾 け、必要とされる役割を的確に担ってこられた歴史であります。関係機関との連携のもと、質の高い 事業を継続し、県民の信頼を築いてこられたご努力に、深く敬意を表します。 私自身、長年感染症対策の現場に携わる中で、結核対策の転換期を経験してまいりました。患者数 が減少する一方で、現場の知見の継承や体制の維持が新たな課題となることを実感してきました。感 染症は、社会の変化や人の移動とともに姿を変えながら現れます。その意味で、組織として経験を蓄 積し、不断に備える姿勢が何より重要であります。 さらに近年、世界的な新興感染症の拡大を通じて、私たちは感染症対策の難しさと同時に、公衆衛 生の重要性を改めて認識いたしました。科学的知見に基づきながらも、社会との対話を重ね、持続可 能な対応を模索することの重みを痛感した数年でありました。この経験は、結核をはじめとする感染 症対策にも多くの示唆を与えています。 そのような転換期にあって、貴事業団がAIを活用した診療支援に取り組まれていることは、時代 の要請に応える意義深い挑戦であります。胸部画像診断支援などの技術は、医療の質の向上と効率化 を同時に実現し、地域医療の持続可能性を高める可能性を有しています。しかしながら、どれほど技 術が進歩しても、その中心にあるのは「人」であります。専門職の判断と倫理、そして地域との信頼 関係こそが、技術を真に活かす基盤であります。 50年の歩みは、単なる歴史ではなく、未来への礎であります。予防から健康づくりへ、そして人と 技術の調和へと、公衆衛生はさらに深化していくでしょう。これまで培ってこられた経験と信頼を礎 に、新たな時代の健康づくりを力強く牽引されることを心より期待しております。 貴事業団のますますのご発展と、県民の皆さまのご健勝を祈念し、お祝いの言葉といたします。 Tochigi Public Health Service Association 8
設立50周年に寄せて 櫻林郁之介 理事長 公益財団法人予防医学事業中央会 設立50周年を心からお慶び申し上げます。 公益財団法人栃木県保健衛生事業団は、財団法人結核予防会栃木県支部と財団法人栃木県寄生虫予 防協会(後に財団法人栃木県予防医学協会と改称)と財団法人栃木県対ガン協会を1976年(昭和51年) 3月29日に統合して設立されました。 本会の前身団体は、1955年(昭和30年)3月に設立された日本寄生虫予防会ですが、貴事業団の前 身団体の1つである栃木県寄生虫予防協会は、1959年(昭和34年)8月に設立され同時に日本寄生虫 予防会栃木県支部となりました。寄生虫予防は、戦後の混乱期に始まった寄生虫撲滅のための“草の 根運動”に根差しており、寄生虫の検査と衛生思想の普及を柱にした活動を行いました。 その後、寄生虫予防から健康診断と健康教育を柱とした予防医学活動を行う財団法人栃木県予防医 学協会が1971年(昭和46年)に設立され、1976年(昭和51年)3月に現在の栃木県保健衛生事業団に なったことは、先に述べたとおりです。 貴事業団は、各種がん検診を栃木県内で先駆的に行うとともに、児童・生徒の腎臓病検診や心臓病 検診、企業従業員の健康診断等を幅広く行い、さらに、新生児の先天性代謝異常検査も先進的に行う など、栃木県民の健康増進と福祉の向上に大きな役割を果たしてこられました。 最近では、胸部X線検査画像をAIで読影支援するシステムの導入や人間ドックでの「3Dマンモ グラフィ」の導入など、常に先進的な技術を他の支部に先駆けて取り入れて頂いており、本会の第59 回(令和7年度)全国予防医学技術研究会において「肺がん検診における胸部X線画像AI読影支援 システム導入後の追跡調査結果報告(第一報)」が、優秀賞(児玉賞)を授賞されました。 また、本年2月には、一般財団法人日本宝くじ協会が実施する社会貢献広報事業の助成を本会が受 け、貴事業団に乳房デジタルX線検診車を配備したところです。 さらに、本会の各種委員等に多くの職員の方が就任してご指導を頂いており、感謝の念に堪えません。 貴事業団の50年間は、常に本会のグループの先駆け的な支部として存在してこられました。これか らも本会グループの範として予防医学運動を展開され、益々飛躍発展されることを心から祈念いたし ております。 Tochigi Public Health Service Association 9
設立50周年を祝って 垣 添 忠 生 公益財団法人日本対がん協会会長 国立がんセンター名誉総長 栃木県保健衛生事業団が設立50周年を迎えられたこと、心からお祝い申し上げます。50年とは大変 な年月です。私ども日本対がん協会も2年先に70周年を迎えますが、それに匹敵する由緒正しい団体 として活動を続けてこられたことに改めて敬意を表します。 貴事業団は1961年に前身の栃木県対ガン協会が設立されると同時に、日本対がん協会の一員として、 がん予防、がん検診などに取り組まれてきました。 2013年(平成25年)貴事業団は公益財団法人に移行され、それと同時に一.社会貢献、二.事業推 進、三.精度の高い健診・検査、四.職員意識、から成る経営理念をうちたてられました。以来、営々 として県民の健康を守るために、時代の変化を取り入れながら事業を続けてこられました。 注目したいのは、県民をがんから守るためにがんの早期発見を目標とする検診機関としての着実な 活動を推進してこられたことです。特にマンモグラフィー検診車による乳がん検診事業に、超音波検 査の同時併用検診をいち早く導入されました。 日本人の乳房はやや小ぶりで、組織が密集している、いわゆるdense breastでマンモグラフィーに よる石灰化の検出が時に難しいこともあります。そこに超音波検査を併用することにより乳がん発見 率が向上するのでは、という問題意識でした。 この件に関して、後に東北大学の大内憲明教授を中心とする臨床研究が進められました。7万人の 日本人女性を2群に分け、1群3.5万人はマンモグラフィー単独、他の1群3.5万人はマンモグラフィー +超音波で、約20年追跡した結果が最近判明しました。マンモグラフィー+超音波グループでは乳が んの発見率が向上するだけでなく、進行がんの発見が有意に低下することも証明されたとの事です。 この様な大規模な研究のはるか以前に、マンモグラフィー+超音波検診という手法を導入された先 見性は高く評価されると思います。 どうかこれからも、県民の健康を守り、全国の対がん活動と連携しながら、がんとの戦いを続けて 下さることを心から願っております。 Tochigi Public Health Service Association 10
トピックス
平成18年度 (2006) 平成21年度 (2009) 平成20年度 (2008) 後期高齢者医療制度スタート(4月) 北京五輪開催(8月) リーマン・ショックで世界的金融危機(9月) この20年の歩み 4月 6月 9月 30 3月 新器材準備室完成 4月 2006 2015 8月 人間ドックオプション HPV検査開始 P17 2月 乳がん検診啓発 とちぎdeピンクリボン (県と初共催) P18 人間ドック施設 改修工事、機器更新 P17 5月 秋篠宮家の悠仁親王殿下ご誕生(9月) 乳がん検診啓発 とちぎdeピンクリボン 人間ドック施設改修工事 とちぎ健康の森 がん検診啓発セミナー 新型インフルエンザ(H1N1)流行(春~冬) 裁判員制度開始(5月) 腸内細菌検査システム更新 3月 平成22年度 (2010) 上海万博開催(5~10月) 小惑星探査機「はやぶさ」帰還(6月) 東日本大震災・福島第一原発事故(3月) 3月 0月3 P20 4月 特定健診・ 特定保健指導開始 P19 心の健康づくり事業 開始 P20 がん征圧募金記念品 P33 平成19年度 (2007) 新潟県中越沖地震(7月) 郵政民営化スタート(10月) ピンクリボン ピンバッジ ブックマーク アイスクリーム スプーン P〇… 関連トピックス 掲載ページ Tochigi Public Health Service Association 12 生活機能評価開始 とちぎハサップ、 うつのみやハサップ 認証第1号 国保ヘルスアップ 事業開始 設立周年記念誌 発刊 胃がんハイリスク検診 (ABC検診)開始 臨床検査課を一課と 二課に再編 栃木県がん集検協議会 精度管理部会新設 ストレスチェック義務化 健康度測定事業終了 東日本大震災への 対応 放射性物質 検査開始 第1回とちぎ産業保健 セミナー 職域健診 ICカード健診開始 メンタルヘルス サポートセンター設置
平成27年度 (2015) 東京スカイツリー開業(5月) ロンドン五輪開催(7~8月) 山中伸弥氏がノーベル生理学・医学賞 受賞(10月) 平成24年度 (2012) 平成25年度 (2013) 富士山世界文化遺産登録(6月) ソチ冬季五輪開催(2月) マイナンバー制度スタート(10月) 大村智氏がノーベル生理学・医学賞受賞(10月) 平成23年度 (2011) 女子サッカーワールドカップ なでしこジャパン優勝(7月) 4月 放射能検査対策室設置 4月 第1回リレーフォーライフとちぎ (宇都宮) 9月 新生児マススクリーニング検査に タンデムマス法を導入 10月 健康づくり情報コーナー、 多目的運動コーナー設置 10月 日本対がん協会 乳がん征圧活動助成 デジタル超音波装置納品 10月 健康長寿とちぎづくり推進条例施行 4月 11月 健診現場接遇向上検討会 発足 P22 2月 子宮がん検診車の更新 P26 7月 住民健診 Web予約システム運用開始 P24 4月 7月 12月 とちぎ健康21プラン第2期計画 4月 水質検査事業終了 (公財)JKA補助胃W車 「あすなろ7号」納車 3月 0月3 P21 4月 第2期特定健診・ 特定保健指導開始 P19 公益財団法人に移行 P23 食品環境検査所 婦人検診車「しあわせ2号」 (公財)JKA補助胃W車「あすなろ7号」 消費税率8%(4月)、御嶽山噴火(9月) 平成26年度 (2014) 0月10月 P25 住民健診担当者会議 P25 乳がん検診超音波検査について P27 第1回リレーフォーライフとちぎ P24 0月 P20 4 Tochigi Public Health Service Association 13 生活機能評価開始 とちぎハサップ、 うつのみやハサップ 認証第1号 国保ヘルスアップ 事業開始 設立周年記念誌 発刊 胃がんハイリスク検診 (ABC検診)開始 臨床検査課を一課と 二課に再編 栃木県がん集検協議会 精度管理部会新設 ストレスチェック義務化 健康度測定事業終了 東日本大震災への 対応 放射性物質 検査開始 第1回とちぎ産業保健 セミナー 職域健診 ICカード健診開始 メンタルヘルス サポートセンター設置
令和2年度 (2020) 新型コロナパンデミック本格化、 ワクチン接種スタート(2月) 平成30年度 (2018) 本庶佑氏がノーベル生理学・医学賞 受賞(10月) 0月3 P28 平成29年度 (2017) 平昌冬季五輪開催(2月) 7月 定期情報誌 「アシスト」創刊 P29 住民健診における コールセンターによる 予約事業開始 2月 第37回全国情報統計研修会開催 (予防医学事業中央会) 8月 (公財)JKA補助婦人検診車 「しあわせ3号」納車 3月 4月 第3期特定健診、 特定保健指導開始 P19 栃木県がん対策推進条例施行 4月 平成28年度 (2016) 熊本地震(4月)、選挙権が18歳に(6月) リオ五輪開催(8月) 大隅良典氏がノーベル生理学・医学賞受賞(10月) 令和元年度 (2019) 平成から令和に改元(5月)、消費税率10%(10月) 新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大(1月~) 胃内視鏡検査装置 精度管理室設置 デジタル読影室整備、 胃内視鏡室改修 4月 0月4 P30 0月9 P31 4月 この20年の歩み 2016 2025 結核予防街頭キャンペーン X線装置デジタル化完了 新型コロナウイルス感染症検査 アシストくん 個人情報保護活動について P37 プライバシーマーク登録証 P〇… 関連トピックス 掲載ページ Tochigi Public Health Service Association 14 所有すべてのX線装置 デジタル化完了 新型コロナ対応 (健診現場) 新型コロナ対応 (PCR検査等開始) 腸内細菌検査方法を PCR法に変更 とちぎ健康の森に 新型コロナワクチン 大規模接種会場 「とちぎワクチン 接種センター」開設 普及啓発事業として 宇都宮ブレックス 冠スポンサー開始 とちぎ健康プラン 第3期計画 日本宝くじ協会助成 乳がん検診車 「ほほえみ2号」納車 令和8年3月日 設立年記念日 先天性代謝異常等検査に ライソゾーム病等検査を 追加 公式キャラクター 「けんこうまもるん」誕生
4月 人間ドックオプション 3Dマンモグラフィ検査開始 P17 先天性代謝異常等検査に 拡大スクリーニング検査 (SMA,SCID)を追加 P35 令和3年度 (2021) 東京五輪開催(7~8月) 北京冬季五輪(2月) 令和6年度 (2024) パリ五輪開催(7月~8月) 20年ぶり新紙幣発行(7月) 令和5年度 (2023) 消費税インボイス制度開始(10月) 能登半島地震(1月) 令和7年度 (2025) 大阪・関西万博開催(4~10月) 坂口志文氏がノーベル生理学・医学賞受賞(10月) 改正民法施行 成人年齢18歳(4月) 令和4年度 (2022) 6月 0月10月 P32 人間ドック時間帯予約制導入 4月 事業団公式X(SNS)開始 4月 10月 胸部X線AI読影支援システム 運用開始 P34 4月 先天性代謝異常等検査における 拡大スクリーニング検査 共同研究開始 P35 とちぎ健康の森長寿命化工事開始 (20か月) 9月 4月 第4期特定健診、 特定保健指導スタート P19 21 4月 2月 29 50 3月 0月4 P35 0月3 P36 腸内細菌検査を 食品環境検査所へ移転 事業団ホームページを リニューアル 4月 日本宝くじ協会助成乳がん検診車「ほほえみ2号」 3Dマンモグラフィ装置 ホームページリニューアル 公式X(SNS)開始 けんこう まもるん誕生 宇都宮ブレックス冠スポンサー Tochigi Public Health Service Association 15 所有すべてのX線装置 デジタル化完了 新型コロナ対応 (健診現場) 新型コロナ対応 (PCR検査等開始) 腸内細菌検査方法を PCR法に変更 とちぎ健康の森に 新型コロナワクチン 大規模接種会場 「とちぎワクチン 接種センター」開設 普及啓発事業として 宇都宮ブレックス 冠スポンサー開始 とちぎ健康プラン 第3期計画 日本宝くじ協会助成 乳がん検診車 「ほほえみ2号」納車 令和8年3月日 設立年記念日 先天性代謝異常等検査に ライソゾーム病等検査を 追加 公式キャラクター 「けんこう まもるん」誕生
設立50周年によせて 髙林 実 公益財団法人栃木県保健衛生事業団 設立50周年という大きな節目を迎えることができましたのは、健診・人間ドックをご利用いただい ている受診者・受診団体の皆様をはじめ、各種食品・環境検査をご利用いただいている皆様、さらに 県・市町村、医師会、大学など多くの関係機関の皆様から、長年にわたり温かいご支援を賜ったおか げであり、心より深く感謝申し上げます。 また、半世紀にわたり栃木県の公衆衛生の向上に寄与すべく尽力してきた歴代役職員一人ひとりの 使命感と不断の努力が、今日の事業団の確かな礎を築いてきたことを、ここに改めて申し添えたいと 思います。 本誌には、現役職員がそれぞれの視点から執筆したトピックスを掲載しております。お読みいただ ければ、当事業団の職員が、誰からも信頼される健診・検査を目指し、日々の業務に誠実に向き合っ ている姿勢を感じ取っていただけることと思います。お客様の声に真摯に耳を傾け、皆でアイデアを 出し合いサービスの改善に努め、検査精度向上のため研鑽を重ねるなど、たゆまぬ努力を続けてまい りました。 これからも当事業団は、50年の歩みを振り返りつつ、私たちの社会的役割と責務を見据え、確かな 歩みを進めてまいります。人生100年時代と言われる今日、長い人生を自分らしく、安心して過ごす ためには、日々の健康を維持し、心身の状態を整えていくことが欠かせません。設立50年を迎えた当 事業団には、これまで培ってきた経験を活かし、県民の皆様の健康づくりに、これまで以上に貢献で きる可能性が広がっていると考えております。 人口減少・少子高齢化の進行や医療DXの推進など、当事業団を取り巻く環境は大きく変化してい ます。しかしながら、公衆衛生に寄与し、県民の皆様の疾病予防や健康の保持増進に貢献するという 使命は、これからも変わることはありません。設立50周年を新たな出発点とし、役職員一同、より一 層その務めを果たしてまいる所存です。 今後とも変わらぬご支援とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。 常務理事 Tochigi Public Health Service Association 16 トピックス
〇施設改修・機器更新の歩み 人間ドック部門では、受診者が安心して人間ドックを受診 できる環境づくりを目的として、施設改修を計画的に実施し てきました。平成19年度には人間ドック施設を「安心と快 適」をキーワードに、女性専用エリア、マンモグラフィ撮影 室や内視鏡室を新たに設置したほか、照明や全てのソファー を更新するなど、受診者様がより快適に受診できるようリ ニューアルしました。また、平成28年度には、検査室のク リーニングを実施するとともに、採血室、婦人科室、胃内視 鏡検査室においてプライバシー保護対策を行い、受診環境の 整備を図りました。さらに、令和元年度には、内視鏡検査の 需要増加に対応するため胃内視鏡室を拡充・改修し、検査体 制の見直しを行いました。 検査機器についても検査精度の維持・向上と受診者負担の 軽減を目的として計画的に更新しており、平成22年度には CT装置の更新、平成23年度にはマンモグラフィ撮影装置を 更新しました。また、平成30年度には胃内視鏡装置、胃X 線撮影装置、胸部X線撮影装置、骨密度測定装置の更新を行 い、検査精度の維持と検査環境の改善を進めました。 令和元年度および令和2年度には超音波診断装置を更新し、 検査精度の向上に加え、作業効率の改善により受診者負担の 軽減を図りました。 令和3年度には最新技術を搭載したCT装置を導入し、被 ばく線量の低減や撮影時間の短縮が可能となるなど、検査環 境はさらに改善されています。 令和4年度には上部消化管内視鏡装置の更新を行い、令和 5年度には視野検査装置を更新、令和6年度と令和7年度に はAI内視鏡検査を導入するなど、検査体制の充実を図ってき ました。 受診者サービス面では、検査の待ち時間を快適に過ごして いただけるよう、平成21年度には診察までの待ち時間を利 用した「健康ヨガ」と「自力整体」を開始し、平成27年度 には人間ドックフロアにWi-Fiを設置しました。また、令和 6年度にはWeb読み放題サービスを導入しました。 このように、人間ドック部門では、各年度の課題に応じて 検査機器の更新と施設改修を重ね、安定した検査体制の構築 に取り組んできました。これからも高い健診精度の維持・向 上と快適な受診環境の提供に努めてまいります。 〇オプション検査導入の歩み 人間ドック部門では、受診者の健康課題の多様化に対応す るため、オプション検査の充実を段階的に進めてきました。 これからも、医療技術の進化など健診環境の変化に適切に対 応しながら、受診者一人ひとりのニーズに合わせたオプショ ン検査の提供に努めてまいります。 (田中 千明 記) 人間ドック、機器更新・オプション検査の歩み 年 度 内 容 平成19年度 ヒトパピローマウイルス(HPV) 検査開始 平成 20 年度 甲状腺超音波検査、経鼻内視鏡検査開始 平成21年度 ヘリコバクター・ピロリ抗体検査、 ペプシノゲン検査、子宮体がん検査開始 平成 24 年度 HOMA-R(インスリン抵抗性検査)開始 平成25年度 甲状腺ホルモン検査、頸動脈超音波検査、 視野検査開始 平成29年度 姿勢分析開始、 待合室に肌年齢測定器を設置 令和元年度 アレルギー検査、サインポスト遺伝子検査、 風しん抗体検査開始 令和2年度 子宮体がん検査廃止、経腟超音波検査開始 令和4年度 NT - proBNP 検査開始 令和5年度 3D マンモグラフィ検査開始 令和6年度 MCI(軽度認知障害) スクリーニング検査プラス開始 令和7年度 健康体力チェック廃止 Tochigi Public Health Service Association 17
「とちぎ de ピンクリボン」・「がん検診啓発セミナー」の開催 乳がん予防の啓発活動の一環として、平成18年度から栃 木県主催で、平成19年度からは、栃木県と事業団との共催 で「とちぎ de ピンクリボン」を開催しました。また、平 成26年度からは、市町などとの共催で「がん検診啓発セミ ナー」を開催しました。会場では、基調講演や特別ゲストに よる講演を実施したほか、マンモグラフィ検診車や超音波検 査機器・触診モデルの展示、パンフレットの配布、がん征圧 募金活動などを行いました。 令和2年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により中 止となり、令和3年度からは、宇都宮ブレックス冠スポンサー としてのイベント開催による啓発活動に変更いたしました。 (関口 絵里加 記) 開催の記録 開催年度 共催 開催場所 特別ゲスト 参加人数 平成19年度 栃木県 栃木県総合文化センター 平山 あや氏 約500名 平成20年度 栃木県 とちぎ男女共同参画センター - 約350名 平成21年度 栃木県 とちぎ男女共同参画センター - 約100名 平成22年度 栃木県 とちぎ健康の森講堂 ジャガー横田氏 約350名 平成24年度 栃木県、東京海上日動火災保険、足利銀行 とちぎ健康の森講堂 山田 邦子氏 約400名 平成25年度 栃木県、東京海上日動火災保険、足利銀行 とちぎ健康の森講堂 おおたわ 史絵氏 約300名 平成26年度 下野新聞社 とちぎ健康の森講堂 麻木 久仁子氏 約300名 平成27年度 大田原市健康長寿都市推進委員会 大田原市那須野が原ハーモニーホール アグネス・チャン氏 約760名 平成28年度 真岡市 真岡市民会館大ホール アグネス・チャン氏 約550名 平成29年度 栃木市 栃木市大平文化会館 倍賞 千恵子氏 約1,000名 平成30年度 那須塩原市 黒磯文化会館大ホール 麻木 久仁子氏 約200名 令和元年度 鹿沼市・上都賀郡市医師会・栃木県医師会 鹿沼市民文化センター大ホール アグネス・チャン氏 約750名 Tochigi Public Health Service Association 18 トピックス
特定健診制度対応の歩み ―第3期を中心に― 特定保健指導の歩み 特定健康診査は平成20年度の制度開始以降、住民の健康 づくりを支える制度として定着し、現在では第4期特定健診 を迎えています。当事業団でも長年にわたり自治体と連携し ながら運用を続けてきましたが、なかでも平成30年度から の第3期特定健診の導入時は、健診現場への影響が非常に大 きく、強く印象に残っています。 第3期特定健診では、健診結果の精度管理やデータ活用が 重視されるようになり、判定方法や結果様式の見直しが行わ れました。判定区分の整理や基準値の再確認が必要となり、 チェック体制等を見直す必要がありました。これまで問題な く運用できていた流れが通用しなくなり、結果処理部門の負 担は決して小さくありませんでした。 健診現場においても第3期特定健診への対応は大きな課題 でした。 受付業務では、受診券の様式変更や記載内容の細分化によ り確認項目が増え、わずかな見落としがデータ不備につなが るケースもありました。混雑する健診会場で、受診者をお待 たせしないよう配慮しながら、制度上必要な確認を確実に行 うことは、受付担当者にとって大きな緊張を伴う業務でした。 また、詳細な健診項目(心電図検査、眼底検査、クレアチ ニン検査)の基準が「前回の健診結果」から「当日測定した 血圧の数値」で判断することになったことから、健診を効率 的に実施するために一部の自治体では、受付を行う前に血圧 測定を実施する流れに変更しました。 一方で、渉外担当者としては、制度改正の内容をできるだ け分かりやすく整理し、内部職員へ周知することにも力を注 ぎました。業務手順書の見直しや、想定される問い合わせへ の対応整理を重ねることで、徐々に現場が落ち着いて対応で きる体制を整えることができたと感じています。 現在は第4期特定健診へと移行していますが、第3期特定 健診で経験した健診現場や結果処理に関する苦労は、制度変 更への対応力として今も現場に生かされています。今後も制 度の趣旨を踏まえつつ、正確で円滑な健診運営に努めていき たいと考えています。 (幕田 俊幸 記) 健康増進部健康支援課では、2008(平成20)年4月か らの特定健康診査・特定保健指導制度の開始当初より、外部 委託機関として特定保健指導に取組んできました。契約団体 は、市町村国保、国保組合、健康保険組合、協会けんぽ、共 済組合など多岐に渡ります。実施方法は会場に出向いて行 う出張型や施設内で行う施設内型、さらに初回面接を人間 ドック等の当日に行う方法や後日に行う方法があり、年間約 1,400名を実施しています。 対象者の将来にわたる健康のため、一人ひとりの生活背景 や想いに寄り添い、継続した行動変容を促す支援を目指し、 指導方法や内容、使用する教材・媒体について、毎年課員全 員で振返りと検討を行ってきました。対象者の反応や効果、 現場での気づきを共有し、試行錯誤しながら改善を積み重ね てきた経験は、当事業団の大きな強みです。また、受託先で ある保険者や事業所との連携も大切にしてきました。事業の 目的や課題を共有し、実施方法を共に検討することで、より 実効性の高い保健指導の実現に繋げてきました。信頼関係の 構築は、成果創出の基盤となっています。 令和6年度に開始された第4期特定保健指導では、支援の 回数や時間といった保健指導の介入量を重視したものから、 減量の他、食事や身体活動、たばこ、休養など本人の生活習 慣の変化を重視した評価体系に変更されました。また、対象 者の利便性やモチベーション維持のツールとして遠隔面接や アプリ等のICT活用が推奨されました。当事業団ではこれを 新たな挑戦の機会と捉え、効果的かつ効率的な保健指導の展 開を目的にクラウド型保健指導システムを導入し、Webサー ビスを活用した保健指導を開始しました。時間や場所の制約 を受けにくい支援体制は対象者の利便性を高め、より参加し やすく継続しやすい保健指導につながっています。 これまでの歩みを礎に、変化する社会や制度に柔軟に対応 しながら、これからも一人ひとりの「健やかな未来」を応援 し続けていきたいと考えています。 (忽那 洋子 記) Tochigi Public Health Service Association 19
メンタルヘルスサポート センターの歩みとこれから 東日本大震災後の健康診査 などへの協力について 当事業団は、時代のニーズや事業所の皆様の声に耳を傾けなが ら、健診機関としていち早くメンタルヘルス支援事業に取り組ん でまいりました。 平成20(2008)年4月から心の健康づくり事業を開始し、 ストレス調査や研修、カウンセリング等のメンタルヘルス支援 事業を展開してきました。そして、平成27(2015)年12月 の労働安全衛生法改正により、従業員50名以上の事業場にスト レスチェックが義務付けられることを受け、平成27(2015) 年4月にメンタルヘルスサポートセンターを開設し、平成28 (2016)年4月に医師、保健師を加え体制を強化しました。ス トレスチェックが開始される7年前からメンタルヘルス支援事業 に取り組んでいたため、スムーズにストレスチェックを開始する ことができました。 また、令和2(2020)年6月に、職場のパワーハラスメント 防止強化を柱とする労働施策総合推進法(パワハラ防止法)が施 行されることに伴い、ハラスメント相談を事業所に代わって対応 する社外相談窓口「ハラスメント相談ほっとライン」事業を開始 し、委託事業所の問題解決支援やハラスメント防止研修、事業所 のハラスメント相談担当者セミナーの開催等、良好な職場環境づ くりを支援してまいりました。しかし、ハラスメント相談事業は 今後、より専門性の高い支援が必要になることが想定されるため、 当事業団では令和7(2025)年3月をもって事業を終了し、専 門機関への橋渡しを行いました。 メンタルヘルスサポートセンター開設以降、突発的なメンタ ルケアのご依頼をいただくこともありました。一番印象に残っ ているのが「豚熱(CSF)」です。令和3(2021)年4月に県 北地域で大規模な豚熱(CSF)が発生した際、防疫作業従事者 に対するメンタルケア支援事業として「メンタル調査(IES-R: 自己採点方式)」「カウンセラー面談(申し込み制)」「電話相談 窓口の設置」を行いました。新聞やニュースでは伝わらない作 業従事者の過酷な現状を知り、衝撃を受けたことを憶えていま す。幸い面談の申し込みはありませんでしたが、強いストレス に晒される作業従事者への働きかけがスムーズに実施でき、セー フティネットとして一定の役割りを果たすことができたのでは ないかと思っています。 メンタルヘルス支援事業を通して強く感じたことは、心の状態 が日常生活に与える影響の大きさ、そして支援が必要な人の多さ です。心の状態は正確な数値や画像で表すことができないため、 より難しさを感じます。これからも時代のニーズや事業所の皆様 の声に耳を傾けながら、心の健康づくり支援を推進し、職場の健 康づくりに貢献してまいります。 (宇賀神 典子 記) 平成23年3月11日に発生した東日本大震災及び福島第 一原子力発電所の事故においては、東北地方を中心に各地に 未曾有の被害がもたらされました。その混乱の中で、当事業 団においては幸いにも健診・検査等の基本的な対応が可能で あったことから、我々の特性を生かした支援・協力を検討し、 放射能検査を立ち上げたほか、栃木県や市町、福島県などか らの協力依頼に以下のとおりできる限り対応いたしました。 ①健康相談・放射線量測定の実施 栃木県災害対策本部が設置した「総合相談班」への人的協 力支援として、平成23年3月~4月の14日間に、保健師、 看護師、診療放射線技師が一つのチームとなり、延べ64名 の職員を派遣しました。那須町「道の駅伊王野」「道の駅友 愛の森」の2か所で、福島県からの避難者に対し、健康相談 やサーベイメーターによる放射線量の測定を実施しました。 ②避難所避難者・自主避難者の健康診断の実施 栃木県内に避難している方を対象とした健康診断を栃木県 が企画し、当事業団や大学病院等が実施しました。平成23 年6月の5日間で81名、平成24年度には3市町が実施す る住民健診時に28名の方々に対し、避難先において特定健 診や後期高齢者健診、がん検診等を実施しました。 ③甲状腺検査の実施 福島県で実施している「県民健康管理調査」の甲状腺超音 波検査の実施に協力しました。子どもたちの健康を長期的に 見守ることを目的とし、震災時点で18歳以下の福島県民を 対象に実施したもので、事業団ではその一部を担当しました。 また、栃木県内では、日光市(平成25年度~令和4年度) および塩谷町(平成28年度~令和2年度)からの依頼を受 け、当時18歳以下の住民を対象とした甲状腺超音波検査を 実施しました。これらの検査は、住民の皆さまの放射能に対 する不安の軽減や健康管理を目的として行われました。 ④健康診査の実施 福島県立医科大学からの依頼で、県内に避難している16歳 以上の福島県の皆様に対し、とちぎ健康の森で一般健康診断 項目+白血球分画等を、平成25年2月~ 12月に述べ71名実 施しました。 ⑤放射線業務従事者の健康影響に関する疫学研究の協力 福島原発において緊急作業に従事した作業員の長期にわた る健康影響を明らかにするため、厚生労働省が平成26年から 約30年にわたる疫学的研究を実施しており、当事業団も平成 27年度から県内対象者に対する健診事業を行っています。 (増田英夫、手塚真史、忽那洋子、堀江 聡、 菊池宏美、大窪三紀世、渡邉 哲 記) Tochigi Public Health Service Association 20 トピックス
放射能検査事業の立ち上げから終了まで 平成23年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所 の事故後、食品や飲料水、さらには生活環境における放射性 物質の影響が社会的な課題として大きく取り上げられるよう になりました。食品等の安全性を客観的に確認する体制の整 備が急務となり、食品環境検査所では平成24年3月から放 射能検査事業を開始しました。事故直後の混乱期において迅 速に役割を果たすことが求められた時期でもありました。 事業の立ち上げにあたっては、測定機器の導入、測定環境 の整備、検査手法の確認、職員への技術研修など多岐にわた る必要な準備を段階的に、かつ短期間で進める必要がありま した。当時は測定機器の需要が急増し、機器の確保は容易で ありませんでしたが、平成24年3月にNaIシンチレーショ ンスペクトロメーターを導入して簡易測定を開始し、同年6 月にはゲルマニウム半導体検出器を導入して精密測定を実施 できる体制を整えることが出来ました。 検査対象となった検体は、学校給食、一般食品、医薬品、 飲用水のほか、浄水発生土や下水汚泥といった環境試料など 広範囲に及びました。これら多様な試料に対しては、関係法 令や国の通知等に基づいて適切な手法で検査を行いました。 これら性状の異なる検体を正確に測定するためには、検体の 前処理から充填、測定時間の管理に至るまで一貫した精度が 求められるため、当検査所では検査手順の標準化を徹底する とともに、外部機関が実施する精度管理事業に継続して参加 し測定条件の妥当性を確認することで、測定結果の信頼性と 客観性の確保に努めました。 また、長期にわたって安定した検査品質を確保するため、 特定の担当者に業務が集中しないよう研修を通じて職員間の 検査技術の平準化を図りました。あわせて定期的な機器の校 正とメンテナンスを実施することで、担当者が変わっても一 定の精度を維持できる体制にしました。これらの取組みは、 検査精度の向上だけでなく、職員一人ひとりの技術力向上に もつながりました。 事業開始以降、現在までに実施した検査数は累計で8,400 件余りになります。年度により受託件数には増減がありまし たが、いかなる状況でも検査体制を維持し継続的に業務を遂 行してきました。 これまでの検査で、浄水発生土にて放射性セシウムが検出 限界値を上回る事例が確認されましたが、学校給食や一般食 品、飲用水などでは検出例はありませんでした。 一方で、放射能検査を取り巻く社会情勢は事業開始から十 数年の歳月を経て変化しました。近年は、県内における放射 性物質の検出状況は低い水準で推移しており、これに伴い自 治体など検査の依頼元では検査事業の見直しや終了が進めら れてきました。こうした状況を踏まえ、当事業団における食 品および飲用水の放射能測定業務は令和7年度末をもって終 了することとなりました。 事業の終了は一つの区切りですが、これまでの取り組みで 得た経験は今後の検査事業に活用し、検査品質の維持・向上 に役立てていきます。食品環境検査所は、「必要な時に、必 要な検査を、確かな技術で提供する」という姿勢をこれから も大切にし、県民の皆さまの健康と安心の確保に引き続き取 り組んでいきます。 (鈴木 貴行 記) NaI シンチレーションスペクトロメーター ゲルマニウム半導体検出器 Tochigi Public Health Service Association 21
RkJQdWJsaXNoZXIy NDY3NTA=