メンタルヘルスサポート センターの歩みとこれから 東日本大震災後の健康診査 などへの協力について 当事業団は、時代のニーズや事業所の皆様の声に耳を傾けなが ら、健診機関としていち早くメンタルヘルス支援事業に取り組ん でまいりました。 平成20(2008)年4月から心の健康づくり事業を開始し、 ストレス調査や研修、カウンセリング等のメンタルヘルス支援 事業を展開してきました。そして、平成27(2015)年12月 の労働安全衛生法改正により、従業員50名以上の事業場にスト レスチェックが義務付けられることを受け、平成27(2015) 年4月にメンタルヘルスサポートセンターを開設し、平成28 (2016)年4月に医師、保健師を加え体制を強化しました。ス トレスチェックが開始される7年前からメンタルヘルス支援事業 に取り組んでいたため、スムーズにストレスチェックを開始する ことができました。 また、令和2(2020)年6月に、職場のパワーハラスメント 防止強化を柱とする労働施策総合推進法(パワハラ防止法)が施 行されることに伴い、ハラスメント相談を事業所に代わって対応 する社外相談窓口「ハラスメント相談ほっとライン」事業を開始 し、委託事業所の問題解決支援やハラスメント防止研修、事業所 のハラスメント相談担当者セミナーの開催等、良好な職場環境づ くりを支援してまいりました。しかし、ハラスメント相談事業は 今後、より専門性の高い支援が必要になることが想定されるため、 当事業団では令和7(2025)年3月をもって事業を終了し、専 門機関への橋渡しを行いました。 メンタルヘルスサポートセンター開設以降、突発的なメンタ ルケアのご依頼をいただくこともありました。一番印象に残っ ているのが「豚熱(CSF)」です。令和3(2021)年4月に県 北地域で大規模な豚熱(CSF)が発生した際、防疫作業従事者 に対するメンタルケア支援事業として「メンタル調査(IES-R: 自己採点方式)」「カウンセラー面談(申し込み制)」「電話相談 窓口の設置」を行いました。新聞やニュースでは伝わらない作 業従事者の過酷な現状を知り、衝撃を受けたことを憶えていま す。幸い面談の申し込みはありませんでしたが、強いストレス に晒される作業従事者への働きかけがスムーズに実施でき、セー フティネットとして一定の役割りを果たすことができたのでは ないかと思っています。 メンタルヘルス支援事業を通して強く感じたことは、心の状態 が日常生活に与える影響の大きさ、そして支援が必要な人の多さ です。心の状態は正確な数値や画像で表すことができないため、 より難しさを感じます。これからも時代のニーズや事業所の皆様 の声に耳を傾けながら、心の健康づくり支援を推進し、職場の健 康づくりに貢献してまいります。 (宇賀神 典子 記) 平成23年3月11日に発生した東日本大震災及び福島第 一原子力発電所の事故においては、東北地方を中心に各地に 未曾有の被害がもたらされました。その混乱の中で、当事業 団においては幸いにも健診・検査等の基本的な対応が可能で あったことから、我々の特性を生かした支援・協力を検討し、 放射能検査を立ち上げたほか、栃木県や市町、福島県などか らの協力依頼に以下のとおりできる限り対応いたしました。 ①健康相談・放射線量測定の実施 栃木県災害対策本部が設置した「総合相談班」への人的協 力支援として、平成23年3月~4月の14日間に、保健師、 看護師、診療放射線技師が一つのチームとなり、延べ64名 の職員を派遣しました。那須町「道の駅伊王野」「道の駅友 愛の森」の2か所で、福島県からの避難者に対し、健康相談 やサーベイメーターによる放射線量の測定を実施しました。 ②避難所避難者・自主避難者の健康診断の実施 栃木県内に避難している方を対象とした健康診断を栃木県 が企画し、当事業団や大学病院等が実施しました。平成23 年6月の5日間で81名、平成24年度には3市町が実施す る住民健診時に28名の方々に対し、避難先において特定健 診や後期高齢者健診、がん検診等を実施しました。 ③甲状腺検査の実施 福島県で実施している「県民健康管理調査」の甲状腺超音 波検査の実施に協力しました。子どもたちの健康を長期的に 見守ることを目的とし、震災時点で18歳以下の福島県民を 対象に実施したもので、事業団ではその一部を担当しました。 また、栃木県内では、日光市(平成25年度~令和4年度) および塩谷町(平成28年度~令和2年度)からの依頼を受 け、当時18歳以下の住民を対象とした甲状腺超音波検査を 実施しました。これらの検査は、住民の皆さまの放射能に対 する不安の軽減や健康管理を目的として行われました。 ④健康診査の実施 福島県立医科大学からの依頼で、県内に避難している16歳 以上の福島県の皆様に対し、とちぎ健康の森で一般健康診断 項目+白血球分画等を、平成25年2月~ 12月に述べ71名実 施しました。 ⑤放射線業務従事者の健康影響に関する疫学研究の協力 福島原発において緊急作業に従事した作業員の長期にわた る健康影響を明らかにするため、厚生労働省が平成26年から 約30年にわたる疫学的研究を実施しており、当事業団も平成 27年度から県内対象者に対する健診事業を行っています。 (増田英夫、手塚真史、忽那洋子、堀江 聡、 菊池宏美、大窪三紀世、渡邉 哲 記) Tochigi Public Health Service Association 20 トピックス
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