保健衛生事業団 設立50周年記念誌

特定健診制度対応の歩み ―第3期を中心に― 特定保健指導の歩み 特定健康診査は平成20年度の制度開始以降、住民の健康 づくりを支える制度として定着し、現在では第4期特定健診 を迎えています。当事業団でも長年にわたり自治体と連携し ながら運用を続けてきましたが、なかでも平成30年度から の第3期特定健診の導入時は、健診現場への影響が非常に大 きく、強く印象に残っています。 第3期特定健診では、健診結果の精度管理やデータ活用が 重視されるようになり、判定方法や結果様式の見直しが行わ れました。判定区分の整理や基準値の再確認が必要となり、 チェック体制等を見直す必要がありました。これまで問題な く運用できていた流れが通用しなくなり、結果処理部門の負 担は決して小さくありませんでした。 健診現場においても第3期特定健診への対応は大きな課題 でした。 受付業務では、受診券の様式変更や記載内容の細分化によ り確認項目が増え、わずかな見落としがデータ不備につなが るケースもありました。混雑する健診会場で、受診者をお待 たせしないよう配慮しながら、制度上必要な確認を確実に行 うことは、受付担当者にとって大きな緊張を伴う業務でした。 また、詳細な健診項目(心電図検査、眼底検査、クレアチ ニン検査)の基準が「前回の健診結果」から「当日測定した 血圧の数値」で判断することになったことから、健診を効率 的に実施するために一部の自治体では、受付を行う前に血圧 測定を実施する流れに変更しました。 一方で、渉外担当者としては、制度改正の内容をできるだ け分かりやすく整理し、内部職員へ周知することにも力を注 ぎました。業務手順書の見直しや、想定される問い合わせへ の対応整理を重ねることで、徐々に現場が落ち着いて対応で きる体制を整えることができたと感じています。 現在は第4期特定健診へと移行していますが、第3期特定 健診で経験した健診現場や結果処理に関する苦労は、制度変 更への対応力として今も現場に生かされています。今後も制 度の趣旨を踏まえつつ、正確で円滑な健診運営に努めていき たいと考えています。 (幕田 俊幸 記) 健康増進部健康支援課では、2008(平成20)年4月か らの特定健康診査・特定保健指導制度の開始当初より、外部 委託機関として特定保健指導に取組んできました。契約団体 は、市町村国保、国保組合、健康保険組合、協会けんぽ、共 済組合など多岐に渡ります。実施方法は会場に出向いて行 う出張型や施設内で行う施設内型、さらに初回面接を人間 ドック等の当日に行う方法や後日に行う方法があり、年間約 1,400名を実施しています。 対象者の将来にわたる健康のため、一人ひとりの生活背景 や想いに寄り添い、継続した行動変容を促す支援を目指し、 指導方法や内容、使用する教材・媒体について、毎年課員全 員で振返りと検討を行ってきました。対象者の反応や効果、 現場での気づきを共有し、試行錯誤しながら改善を積み重ね てきた経験は、当事業団の大きな強みです。また、受託先で ある保険者や事業所との連携も大切にしてきました。事業の 目的や課題を共有し、実施方法を共に検討することで、より 実効性の高い保健指導の実現に繋げてきました。信頼関係の 構築は、成果創出の基盤となっています。 令和6年度に開始された第4期特定保健指導では、支援の 回数や時間といった保健指導の介入量を重視したものから、 減量の他、食事や身体活動、たばこ、休養など本人の生活習 慣の変化を重視した評価体系に変更されました。また、対象 者の利便性やモチベーション維持のツールとして遠隔面接や アプリ等のICT活用が推奨されました。当事業団ではこれを 新たな挑戦の機会と捉え、効果的かつ効率的な保健指導の展 開を目的にクラウド型保健指導システムを導入し、Webサー ビスを活用した保健指導を開始しました。時間や場所の制約 を受けにくい支援体制は対象者の利便性を高め、より参加し やすく継続しやすい保健指導につながっています。 これまでの歩みを礎に、変化する社会や制度に柔軟に対応 しながら、これからも一人ひとりの「健やかな未来」を応援 し続けていきたいと考えています。 (忽那 洋子 記) Tochigi Public Health Service Association 19

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