保健衛生事業団 設立50周年記念誌

公益財団法人への移行及び 経営理念の制定について ~公益法人制度改革を機に「企画戦略プラン」 策定と公益法人会計基準の変更への対応~ 当事業団は、平成25年4月1日付けで「公益財団法人」に 移行し、新たな一歩を踏み出しました。昭和51年3月29日 の設立以来継続してきた事業をさらに充実させつつ、「栃木県 の公衆衛生の維持、向上に寄与する」という目的を実現する ために、職員一人ひとりが「公衆衛生事業」の意義を確認す るとともに、事業体系の見直しなどを行いました。 経営理念については、平成16年3月に策定した経営理念 を、元の理念を生かしつつ「社会貢献」を第一に掲げるなど、 公益法人への移行を踏まえた内容に刷新しました。(P4参照) 移行当時を思い出しますと、これまでにも増して公益法 人としての役割を果たすべく、より精度の高い健診・検査を 実施し、先駆的事業への積極的な取り組みを進めていくなど、 公益財団法人の名に相応しい活動を進めていく決意を、職員 皆で身を引き締めながら固めた記憶があります。 移行の準備に当たっては、平成22年度から「法人移行準備 室」を設置し、申請の実質的な事務を担当するとともに、結 核予防会、予防医学事業中央会、日本対がん協会の各支部な どの全国の動きの確認や意見を聞きつつ、法人の方向性や体 制づくりについて意思決定するための実務的な協議を行う場 として、理事、評議員の代表、顧問税理士、外部有識者から 構成された「新公益法人制度移行検討委員会」を立ち上げ、 協議を進めました。 移行の実務に当たっては、法人を一から設計するような ものであり、新定款の作成や規程の見直し、役員の構成など の組織体制の検討、各事業の公益性の向上などの機関設計と 呼ぶべき大きな枠組みから、日常の事務処理の流れの変更や 名称変更による様々な物品の更新(検診車の事業団名から名 刺まで)などの詳細な部分まで多岐にわたる変更作業があり、 各課から選出された中堅職員で「公益財団法人移行準備部会」 を立ち上げて検討を行うとともに勉強会の開催や意見交換を 行うなど、事業団一丸となって公益財団法人としての道を選 択しました。 公益財団法人に移行してから13年が経過しておりますが、 移行当時と変わらず、今後も県民の疾病予防と健康増進に寄与 するため、結核やがん、生活習慣病の疾病に関する健診・検査 及び生活環境の保全のための各種検査等を一層充実させるとと もに、これら予防医学分野における各種の調査研究及び知識の 普及啓発を行ない、栃木県の公衆衛生の向上に寄与することを 目的とし、公益財団法人の名に恥じない取り組みを進めていく ことが、事業団にとって必要不可欠であると思います。 (渡邉 哲 記) 公益法人は長い間、行政の許可と指導のもとで公共的な役割を担ってきまし たが、より自立的に開かれた事業運営が求められるようになり、平成18年6 月に公益法人制度改革関連三法が制定され、平成20年12月から新たな公益法 人制度がスタートすることとなりました。 公益財団法人への移行にあたり職員だけではなく、外部の有識者も含め た体制「新公益法人制度移行検討委員会」を立ち上げ検討を進めるとともに、 真の公益財団法人の名にふさわしく、かつ、骨太の体力を持った事業団とは 何かを職員一丸となって議論する場として「企画戦略会議」(平成24年9月) を設置し、約半年間、議論に議論を重ね、経営方針を5つの柱として、重要 戦略20項目を掲げ「企画戦略プラン」(平成25~29年度)の5ヵ年計画を 策定いたしました。 この「企画戦略プラン」は、定性的な目標や新規項目を取り入れながら、柔 軟性のあるプランでありかつ具体的で重要性の高いプランとなっていること から、当初のプラン終了の平成29年度以降も第2期(平成30~令和4年度)、 第3期(令和5~令和9年度)として継続し、現在も進行中であり、経営理念 に基づく事業団の進むべき方向性を明確にする羅針盤の役割を担っております。 また、公益法人制度改革と同時に公益法人会計基準の改正があり、これまで の「収支計算書」を中心とした計算書類から「正味財産増減計算書」を中心と した収益状況が分かる企業会計に近い会計処理へ変更となったことや新しい概 念である財務三基準への対応が必須となりました。 これまでの勘定科目などの変更はもとより、集計方法や会計区分などを見直 す必要があり、事業内容と会計処理との関係を一つ一つ整理し、整合性を確認 するなどの作業を行い、相当な時間と労力を要したことや外部の専門家との仕 事の進め方などを体験できたことは、苦労はいたしましたが、貴重な体験とな りました。 その後、平成28年3月に会計基準の一部改正があり、財務諸表に対する注 記の充実や計算書類の表示方法の変更などに対応しました。 さらに、令和7年4月には再度改正が行われ経済社会の変化や国際的な会計 基準との整合性を図る目的などから、大幅な見直しが行われました。 この改正は、経過措置が3年間設けられ、令和10年度事業開始までに対応 となっており、現在、新会計基準に対応すべく準備を行っている段階でありま す。主な内容としては、資産の分類方法の変更や財務諸表に対する注記の大幅 な変更などがあげられ、適正に運用が図れるよう目標に向かい進めているとこ ろです。 最後に、設立50周年という大きな節目を迎えることができたのは、これま で組織の礎を築き、支えてこられた諸先輩方のご尽力、ならびに関係団体等の ご協力の賜物であり、心から感謝申し上げます。この50年の歩みの中で受け 継がれてきた、重みのある歴史と精神を大切に胸に刻みつつ、時代の変化にも 柔軟に対応し、今後もさらなる発展と成長を目指して邁進してまいりたいと思 います。 (亀井 正樹 記) Tochigi Public Health Service Association 23

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