貧血検査

貧血検査

 急激に体が成長する学童期は,体内で鉄の需要が高まるため鉄不足になり,その結果貧血になりやすくなります。早期に発見して管理・指導を行い,治療につなげるための検査です。

 

対象者

児童・生徒

 

判定基準

【小学生】

項 目異常を認めず要観察要精検
血色素量   (g/dL)男女

11.5以上

10.6~11.4

10.5以下

赤血球数 (万/mm3

400以上

371~399

370以下

ヘマトクリット値(%)

35.0以上

32.5~34.9

32.4以下

 

【中学生】

項 目異常を認めず要観察要精検
血色素量   (g/dL)男女

11.5以上

10.0~11.4

9.9以下

赤血球数 (万/mm3男子

410以上

370~409

369以下

女子

390以上

360~389

359以下

ヘマトクリット値(%)男子

36.0以上

33.0~35.9

32.9以下

女子

34.0以上

32.0~33.9

31.9以下

 

【高校生】

項 目異常を認めず要観察要精検
血色素量   (g/dL)男子

13.0~16.6

12.0~12.9
16.7~18.5

11.9以下
18.6以上

女子

11.4~14.6

10.8~11.3
14.7~16.5

10.7以下
16.6以上

赤血球数 (万/mm3男子

400~539

360~399
540~600

359以下
601以上

女子

360~489

330~359
490~550

329以下
551以上

ヘマトクリット値(%)男子

38.0~48.9

35.0~37.9
49.0~57.0

34.9以下
57.1以上

女子

34.0~43.9

31.0~33.9
44.0~55.0

30.9以下
55.1以上

*血色素量が「異常を認めず」であれば、赤血球数・ヘマトクリット値のいずれか一方もしくは両方が「要観察」であっても貧血判定は「異常を認めず」となる

 

鉄欠乏性貧血

 貧血の中で最も多い鉄欠乏性貧血は、貯蔵鉄が減っている状態の貧血予備軍まで含むと、中学生以上の女性の1/3前後あるいは、それ以上いると言われています。
また成長期には、血液も同時に増えるため鉄分を多く補給しなければなりません。
特に思春期の女子の場合は、成長と生理の開始により鉄分の需要が増え貧血になりやすくなります。さらに最近、美容のための無理なダイエットで偏食に走り、貧血に拍車をかけている傾向もあります。