食中毒菌の特徴

食中毒菌の特徴

病原菌名感染源潜伏期間症状
赤痢菌

患者及び保菌者との接触あるいは汚染された食物・水の摂取で感染する。海外渡航者の感染例が多くなっている。

1日~5日

水様ないし、粘血下痢便で、腹痛や発熱を伴う。
近年は数回の下痢、軽度の発熱で経過する例が多い。

サルモネラ菌

ヒトや哺乳動物、鳥類、爬虫類などの腸管に分布し、汚染された肉・乳・卵などの摂取により感染する。また、イヌやミドリガメなどのペットも感染源となる例もある。幼児・高齢者はわずかな菌量でも感染する。

6~48時間

嘔吐、腹痛、39℃以上の発熱、頻回の水様便・粘液便が多い。風邪と症状がよく似ているので注意が必要である。

チフス菌
パラチフスA菌

患者及び保菌者との接触、または汚染された食品や水の摂取で感染する。

2週間前後

39℃以上の高熱、脾腫、バラ疹など。近年は、約半数に下痢が認められる。
パラチフスA菌の症状はチフス菌と同様である。

腸管出血性大腸菌(O157、O26、O111)

ウシ、シカ等の反芻動物の大腸に棲息し、それらの腸内容物で汚染された種々の食品や水を介して経口感染する。
感染者や保菌者の便からの二次感染も起きる。

2~14日
(平均3~5日)

まず水様性下痢と腹痛で発症する。重症例では溶血性尿毒症症候群(HUS)、血小板減少・脳症などを起こすこともある。